ブログ/
「AI に伝わらない」を解消する 5 つの修正法(Before/After 例つき)
2026年6月25日·約7分で読めます
「何度書き直しても AI が思った通りに動かない」――AI 活用で誰もがぶつかる壁です。多くの場合、AI が悪いのではなく プロンプトに伝わらないパターンが混じっています。本記事では 5 つの典型パターンと修正法を解説します。
伝わらない 5 つのパターン
- 曖昧: タスクの輪郭が不明確
- 詰め込み: 1 つのプロンプトに複数タスク
- 形式不明: どんな出力を期待しているか伝わらない
- 前提不足: AI が判断するための背景情報が無い
- 矛盾: 指示同士が矛盾している
順に Before/After で見ていきます。
パターン 1: 曖昧
Before(伝わらない)
営業のメールを書いてください。
これでは「誰宛」「何の用件」「どんなトーン」「長さ」全てが不明です。
After(伝わる)
新規見込み客の {{customer_name}} 様宛に、初回商談の御礼メールを書いてください。
# トーン
丁寧語ベース、絵文字なし
# 構成(3 段落)
1) 御礼
2) 商談で出た課題の整理({{key_points}})
3) 次のアクション提案({{next_step}})
# 長さ
本文 300 字以内
修正の鉄則:
- 対象を固定(誰宛、何の話か)
- 構成を指定(3 段落、見出しなど)
- 形式を明示(敬語レベル、長さ)
パターン 2: 詰め込み
Before
以下の議事録を要約して、ToDo を抽出して、リスクも教えて、
来月の予定もまとめて、最後に経営層向けレポートにしてください。
{{minutes}}
5 つのタスクが一度に詰め込まれていて、AI は最初の 1 〜 2 つにしか集中できません。
After
タスクを分割します。
[Step 1] 以下の議事録を 5 行で要約してください。
[Step 2] 議事録から ToDo を抽出してください(owner + due 必須)。
[Step 3] 議事録から経営上のリスク(high/medium/low)を抽出してください。
それぞれを別のプロンプトとして実行するか、せめて 明示的な手順として書きます。
修正の鉄則:
- 1 プロンプト 1 タスク
- どうしても複数なら手順を明示
- 出力を JSON 等で分離
パターン 3: 形式不明
Before
顧客情報を整理してください。
{{customer_data}}
「整理」がリストなのか表なのか JSON なのか、AI 任せになります。
After
以下の顧客情報を、次の JSON 形式に構造化してください。
# 出力形式
{
"company_name": "",
"industry": "",
"size": "",
"pains": ["..."],
"contact_persons": [{"name": "", "title": ""}]
}
# データ
{{customer_data}}
修正の鉄則:
- JSON / Markdown / 表 / 文章のどれかを明示
- JSON ならフィールド名を全部書く
- 長さ・件数の上限を指定
パターン 4: 前提不足
Before
この案件は進めるべきだと思いますか?
{{deal_info}}
AI は 何を基準に「進めるべき」かが分かりません。
After
あなたは事業開発担当として、以下の案件を「進める / 進めない / 保留」の
3 段階で判断してください。
# 判断基準
- 売上目標との合致(A)
- リソース可用性(B)
- 戦略的価値(C)
# 判断ルール
- A + B + C いずれも ◎ → 進める
- 1 つでも ✕ → 進めない
- 2 つ ◎・1 つ△ → 保留
# 案件情報
{{deal_info}}
# 出力
{ "decision": "...", "reasoning": "100 字以内" }
修正の鉄則:
- 判断基準を明示
- 意思決定ルールを書く
- コンテキストとして前提情報を渡す
パターン 5: 矛盾
Before
- 簡潔に書いてください
- 詳しく分析してください
- 専門用語を使わないでください
- プロフェッショナルなトーンで書いてください
「簡潔だが詳しい」「専門用語ナシだがプロ調」など、矛盾する指示が混在。AI は中途半端な答えしか出せません。
After
- 経営層向け(5 分で読める長さ)
- 結論を先頭で 1 文、根拠を 3 つ箇条書きで
- 専門用語は使わず、業界経験のない経営者にも分かる平易な言葉で
- フォーマルな敬語ベース
修正の鉄則:
- 指示の優先順位を内側でも揃える
- 「〜だが〜」の矛盾を再確認
- 対象読者を 1 つに絞る
修正後のチェックリスト
書き直したプロンプトを次の 5 観点でセルフチェック:
- 対象が明確か(誰宛、何の話か)
- タスクが 1 つに絞られているか
- 出力形式が指定されているか
- 判断基準・前提が示されているか
- 指示同士に矛盾がないか
これだけでも出力品質は明らかに変わります。
PrompTune で運用する
PrompTune の 無料診断ツール では、プロンプトを 5 軸(明確さ/具体性/構造/コンテキスト/出力制御)で自動スコアリングし、上記のような問題を検出して改善提案を出します。書き直す前に診断にかけることをおすすめします。