Claude vs ChatGPT|プロンプトの書き方はどう違う?実例で比較
同じプロンプトで結果が変わる理由
ChatGPTとClaudeに同じプロンプトを投げても、返ってくる回答は異なります。これは単にモデルの性能差だけでなく、各LLMが得意とするプロンプトの書き方が異なるためです。
プロンプトをLLMの特性に合わせて最適化することで、出力品質を大幅に向上させることができます。この記事では、両者の特性の違いと、それぞれに最適なプロンプト設計を実例付きで解説します。
Claude と ChatGPT の特性比較
| 特性 | Claude | ChatGPT |
|---|---|---|
| コンテキスト長 | 200Kトークン(長文処理に強い) | 128Kトークン(GPT-4o) |
| 構造化指示 | XMLタグを高精度に解析 | Markdown形式を推奨 |
| 曖昧な指示への対応 | 確認・質問する傾向 | 推測で補完する傾向 |
| 出力スタイル | 丁寧・慎重・長めの説明 | 簡潔・直接的・要点重視 |
| 得意な用途 | 長文分析、複雑な推論、コード生成 | 対話、要約、クリエイティブ生成 |
| エコシステム | Claude Code、Artifacts | GPTs、プラグイン、DALL-E連携 |
実例で比較する3つのタスク
タスク1: 長文ドキュメントの分析
シナリオ: 50ページの業務マニュアルから、セキュリティに関する規定だけを抽出したい。
Claude向けの最適なプロンプト:
以下の業務マニュアルからセキュリティに関する規定を抽出してください。
<instructions>
- セキュリティに直接関連する条項のみを抽出
- 各条項について「条項番号」「概要」「対象者」を整理
- 情報セキュリティ、物理セキュリティ、人的セキュリティに分類
</instructions>
<output_format>
Markdown表で出力。列:分類、条項番号、概要(50文字以内)、対象者
</output_format>
<document>
(ここに50ページ分のテキストを貼り付け)
</document>
ポイント: Claudeは<tags>形式のXML構造を高精度に認識します。長文を<document>タグで囲むことで、指示と入力データを明確に分離できます。200Kトークンのコンテキスト長を活かして、50ページ分をまるごと投入できるのも強みです。
ChatGPT向けの最適なプロンプト:
# タスク
以下の業務マニュアルからセキュリティ関連の規定を抽出してください。
## 抽出条件
- セキュリティに直接関連する条項のみ
- 情報セキュリティ / 物理セキュリティ / 人的セキュリティに分類
## 出力形式
Markdown表(列:分類、条項番号、概要50文字以内、対象者)
## 対象ドキュメント
(ここにテキストを貼り付け)
ポイント: ChatGPTはMarkdownの見出し(#, ##)でセクション分けすると、構造を正確に把握しやすくなります。ただし、非常に長い文書は分割して投入する方が安定します。
タスク2: メール文面の作成
シナリオ: 取引先に納期遅延を伝えるお詫びメールを作成したい。
Claude向けの最適なプロンプト:
取引先への納期遅延のお詫びメールを作成してください。
背景:
- 製品Aの納品が当初予定より2週間遅延
- 原因は部品調達の遅れ(サプライヤー側の問題)
- 新しい納品予定日は5月15日
- この取引先は10年来の主要顧客
トーンの指定:
- 誠実で丁寧、しかし過度にへりくだらない
- 原因を正直に説明しつつ、再発防止策にも言及
- 800文字以内
注意事項:
- 「申し訳ございません」は1回のみ使用(多用すると逆効果)
- 具体的な日付と対策を必ず含める
ポイント: Claudeは「注意事項」として制約を明示すると、忠実に従う傾向があります。「〜しないでください」という否定形の指示にも正確に対応します。
ChatGPT向けの最適なプロンプト:
あなたはビジネスメールの専門家です。
以下の条件で取引先へのお詫びメールを作成してください。
【状況】製品Aの納品が2週間遅延。原因は部品サプライヤーの調達遅れ。新納品日は5月15日。相手は10年来の主要顧客。
【メールの要件】
1. 誠実で丁寧なトーン
2. 原因の正直な説明
3. 再発防止策の提示
4. 800文字以内
【出力】メール本文のみ(件名は別に提示)
ポイント: ChatGPTは「あなたは〜です」というロール設定に強く反応します。役割を与えることで、その分野の専門知識を活用した出力が得やすくなります。
タスク3: コードレビュー
シナリオ: PythonのAPIエンドポイントのコードレビューを依頼したい。
Claude向けの最適なプロンプト:
以下のPythonコードをレビューしてください。
<review_criteria>
1. セキュリティ上の問題(SQLインジェクション、認証の不備等)
2. パフォーマンスの改善点
3. コードの可読性・保守性
4. エラーハンドリングの適切さ
</review_criteria>
<severity_levels>
- CRITICAL: セキュリティリスクまたは本番障害の可能性
- WARNING: 改善推奨だが即座の対応は不要
- INFO: ベストプラクティスの提案
</severity_levels>
<code language="python">
(ここにコードを貼り付け)
</code>
各指摘事項について、該当行番号、重要度、問題点、修正案を表形式で出力してください。
ポイント: Claudeはコード分析で高い精度を発揮します。XMLタグでコードを明示的に囲み、レビュー基準と重要度レベルを事前に定義すると、構造化された指摘が返ってきます。
ChatGPT向けの最適なプロンプト:
あなたはシニアPythonエンジニアです。以下のコードをレビューしてください。
## レビュー観点
1. セキュリティ(SQLインジェクション、認証の不備)
2. パフォーマンス
3. 可読性・保守性
4. エラーハンドリング
## 出力形式
各指摘をこのフォーマットで:
- **行番号**: L○○
- **重要度**: CRITICAL / WARNING / INFO
- **問題点**: 一文で説明
- **修正案**: コードブロックで修正例を提示
## コード
```python
(ここにコードを貼り付け)
\```
ポイント: ChatGPTにはロール設定(シニアエンジニア)とMarkdown形式の構造化が効果的です。出力フォーマットをテンプレートで示すと、そのフォーマットに従った出力が得やすくなります。
プロンプト設計の使い分けまとめ
Claude に向いているプロンプト
- XMLタグを使った構造化:
<instructions>,<context>,<output>などで区切る - 長文入力: 200Kトークンのコンテキストを活用した大量データの分析
- 否定形の制約: 「〜しないでください」に忠実に従う
- 丁寧な制約指定: 細かい条件を列挙するほど精度が上がる
ChatGPT に向いているプロンプト
- Markdown構造: 見出し(#)と箇条書きで整理する
- ロール設定: 「あなたは〜です」で専門家の視点を付与
- テンプレート指定: 出力フォーマットを例示すると追従しやすい
- 対話的な改善: 初回出力を踏まえて追加指示で調整する
どちらを使うか迷ったときの判断基準
| 判断基準 | Claude を選ぶ | ChatGPT を選ぶ |
|---|---|---|
| 入力が長い(数万文字以上) | ◎ | △ 分割投入が必要 |
| コード分析・生成 | ◎ | ○ |
| 日本語のビジネス文書 | ◎ | ○ |
| 対話しながら改善したい | ○ | ◎ |
| 画像生成と組み合わせたい | △ | ◎(DALL-E連携) |
| GPTsやプラグインを使いたい | △ | ◎ |
| 厳密な指示遵守が必要 | ◎ | ○ |
| カジュアルな雑談・ブレスト | ○ | ◎ |
まとめ
ClaudeとChatGPTは、それぞれ異なる強みを持っています。大切なのは「どちらが優れているか」ではなく、タスクに応じて使い分け、それぞれに最適なプロンプトを書くことです。
どちらのLLMを使う場合でも、プロンプトの基本品質(明確さ・具体性・構造・コンテキスト・出力制御)が高いほど、良い結果が得られます。
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